借地権付き戸建投資は買い?注意点5つと購入前チェック【2026年】

借地権付き戸建投資は買い?注意点5つと購入前チェック【2026年】

借地権付き戸建投資は、土地を買わないぶん価格が抑えられ、表面利回りが高く見える物件があります。一方で、地代や地主の承諾、融資、売却のしにくさなどの注意点もあります。寝屋川市で築古戸建の販売・賃貸管理を行う当社が、地代込みの利回りと購入前チェックを解説します。

結論:借地権付き戸建投資は、①契約内容が明確で更新の見通しが立つ ②地代を引いても利回りが残る ③地主の承諾が得られる関係があるの3つがそろえば、検討の価値がある場合があります。定期借地権で残りの期間が短い物件や、契約書がない・地主と連絡が取れない物件は慎重に判断しましょう。判断に迷うときは、契約書と収支を借地権付き物件を扱う会社と一緒に確認するのが近道です。

借地権付き戸建投資の判断(契約内容が明確・地代を引いても利回りが残る・地主の承諾が得られる関係がそろえば検討の余地あり、定期借地で残り期間が短い・契約書がない・地主と連絡が取れない物件は慎重に)
目次

借地権付き戸建とは?投資で見かける理由

建物は自分のもの、土地は地主から借りる仕組み

借地権とは、建物を持つために他人の土地を借りる権利です。借地権付き戸建を買うと、建物は自分のものになり、土地は地主から借りて地代(土地の賃料)を払います。借地権を持つ人を借地権者といいます。地主側が持つ「貸している土地の所有権」は底地(そこち)と呼ばれます。

旧法借地権・普通借地権・定期借地権の違い

1992年(平成4年)8月1日に借地借家法が施行され、それより前に設定された借地権には、更新などについて旧借地法のルールが適用されます(借地借家法 附則)。

種類対象更新
旧法借地権1992年8月1日より前に設定あり(地主が更新を断るには正当の事由が必要。期間などは旧借地法と契約による)
普通借地権1992年8月1日以降に設定あり(存続期間は原則30年、更新後は最初20年・2回目以降10年)
一般定期借地権存続期間50年以上なし(更新なし・延長なし・建物買取請求なしの特約を公正証書(公証人が作成する公文書)等の書面で定める)

普通借地権では、地主が更新を断るには「正当の事由(土地を使う必要性などの理由)」が必要です。一般定期借地権は更新がなく、建物買取請求(満了時に地主へ建物の買取りを求めること)もできません。満了時の建物の扱いは契約書で確かめましょう。

出典:e-Gov法令検索「借地借家法」、国土交通省「定期借地権の解説」(2026年10月時点)

築古戸建の投資物件に借地権付きが出てくる理由

古くからの住宅地では、旧法の借地の上に建つ戸建が残っていることがあり、相続などをきっかけに売りに出されます。借地権付きの物件は、融資や地主の承諾、売りやすさの面で所有権の物件より条件が厳しくなるため、価格が抑えられやすい傾向があります。

あわせて読みたい:戸建投資の1件目の実例|借地権付き戸建を全額ローンで買った収支

借地権付き戸建投資のメリット4つ

物件価格が抑えられ、表面利回りが高く出やすい

土地を買わないぶん物件価格が抑えられ、同じ家賃でも表面利回り(年間家賃÷物件価格)が高く出やすくなります。ただし、表面利回りには地代が入っていないため、手残りは後で説明する「地代込みの実質利回り」で見ます。

土地の固定資産税・都市計画税がかからない

固定資産税は、毎年1月1日時点の土地・家屋の所有者に課税されます(出典:総務省「固定資産税」、2026年10月時点)。土地の固定資産税・都市計画税は所有者である地主に課税され、借地権者が負担するのは建物の分です。

所有権では予算に合わない立地・広さの物件が候補に入る

同じ予算でも、駅に近い、敷地が広いなど、所有権では手が届きにくい物件が候補に入る場合があります。便利な立地や駐車場の取れる敷地は、入居者探しの強みになることがあります。

旧法・普通借地権は更新で長く使える見通しを立てやすい

普通借地権では、期間満了時に建物があれば、借地権者は更新を請求するか、そのまま土地を使い続けられます。地主がすぐに異議を出さなければ、前と同じ条件で更新したとみなされます(借地借家法5条)。異議には正当の事由が必要です(同6条)。旧法借地権の更新は旧借地法の例によるため、どちらも更新の経緯や地主の意向とあわせて見通しを立てましょう。

借地権付き戸建投資の注意点(デメリット)5つ

  • 毎月の地代と、将来の地代増額
  • 更新料・承諾料などの一時金
  • 売却・建替え・増改築に地主の承諾が必要
  • 融資の審査が厳しくなる場合がある
  • 売却時に買い手が限られる

毎月の地代と、将来の地代増額

地代は、空室の月も払い続ける固定費です。借地借家法11条では、税金や土地価格の変動、近隣の地代との比較で地代が不相当になったとき、増減を請求できると定めています。一定期間増額しない特約があれば、それに従います。地代は将来上がる可能性があると考えて収支を組みましょう。

更新料・譲渡承諾料・建替え承諾料がかかる場合がある

契約の更新時や、建物の売却・建替えの承諾を得るときに、一時金を求められる場合があります。国土交通省の解説では、更新料は法律上の支払い義務があるものではなく、慣行として説明されています(出典:国土交通省「定期借地権の解説」、2026年10月時点)。金額は契約書の定めや地主との協議で決まるため、購入前に確認しましょう。

売却・建替え・増改築に地主の承諾が必要

借地上の建物を売ると土地の賃借権(土地を借りて使う権利)も移るため、地主の承諾が必要です(民法612条)。承諾が得られないときは、裁判所に「承諾に代わる許可」を申し立てる手続きがあります(借地借家法19条)。契約で増改築に承諾が必要とされている場合も、裁判所の許可の制度があります(同17条)。

裁判所の手続き(借地非訟)は、許可されるとは限りません。譲渡の許可の申立てでは、地主が裁判所の定めた価格で建物と借地権を買い取る「介入権」を使える場合もあります(出典:東京地方裁判所 民事第22部「借地非訟とは」、2026年10月時点)。

融資の審査が厳しくなる場合がある

借地権付きの物件は、金融機関によって担保評価(担保としての価値の見積もり)が厳しくなる場合があり、融資の判断が分かれます。金融機関によっては、地主が融資に協力することを示す「融資承諾書」(地主の承諾書)の提出を求められる場合があります。必要な書類は金融機関ごとに異なるため、購入前に相談しておきましょう。

融資の考え方は:築古戸建のフルローンは可能?3条件とリスク・資金計画【2026年】

出口(売却)で買い手が限られる

将来売るときも、次の買い手は融資や地主の承諾という同じ壁に当たります。そのため所有権の物件より売却に時間がかかったり、価格が下がったりする場合があります。買う時点で、誰に売れそうかまで考えておくことが大切です。

地代を引いて考える「実質利回り」と収支の見方

表面利回りだけで判断しない理由

借地権付き戸建は、所有権の物件と同じ表面利回りでも、毎月の地代の分だけ手残りが減ります。表面利回りが高く見えても、地代を引くと所有権の物件と変わらない、または下回る場合もあります。比べるときは、地代などの経費を引いた数字で見ましょう。

借地権付き戸建の実質利回りの計算式

実質利回り=(年間家賃 − 年間の地代 − 建物の固定資産税 − 火災保険料 − 管理費 − 修繕費)÷(物件価格+購入時の諸費用+リフォーム費用)

たとえば次のような仮の数字で計算してみます(説明用の数字で、相場や当社物件の実例ではありません)。

項目(仮の数字)金額
物件価格400万円
諸費用+リフォーム費用100万円
年間家賃(月5万円)60万円
年間の地代(月1万円)12万円
建物の税・保険・管理・修繕年10万円

表面利回りは60万円÷400万円=15%です。実質利回りは(60万円−12万円−10万円)÷500万円=7.6%で、地代と経費を引き、分母に諸費用・リフォーム費用も含めると半分ほどになります。空室期間も見込み、家賃は控えめに置くと安全側の試算になります。

あわせて読みたい:築古戸建の利回りの目安は?表面と実質の違い・計算例と逆算のしかた

更新料・承諾料を「将来の費用」として見込んでおく

更新や売却の時期には、更新料や承諾料などの一時金が出る場合があります。契約書で更新時期を確認し、それまでに家賃収入から積み立てておく考え方があります。

借地権付き戸建の収支の見方(表面利回りを確認する、地代と建物の経費を引く、更新料・承諾料など将来の一時金を見込む、実質の手残りで判断する)

築古の借地権付き戸建を賃貸に出すときのポイント

賃貸に出す予定は購入前に地主へ伝えて確認する

投資では、買った建物を入居者に貸すことになります。まず契約書に建物の使い方や賃貸を制限する特約がないかを確認します。そのうえで、購入前に売主・仲介会社を通じて地主へ賃貸の予定を伝え、問題がないか確認しておきましょう。後の行き違いを防ぎやすくなります。

リフォームの範囲は「増改築禁止特約」で確認する

増改築禁止特約とは、増改築に地主の承諾を必要とする契約の決まりです。築古戸建を賃貸に出すには多くの場合リフォームが要り、この特約がある場合、間取り変更や増築には承諾が必要になることがあります。クロスや設備の交換で済むのか、間取り変更や増築まで行うのかを整理し、迷う工事は事前に地主へ相談しましょう。

地主と良い関係を保つ

借地権付き戸建の運営は、地主との長いお付き合いになります。地代を期日どおりに払い、連絡先を共有しておくことが基本です。相続や底地の売却で地主が変わったら、早めに連絡を取りましょう。

借地権付き戸建の購入前に確認したいチェックリスト7項目

購入前に、次の7項目を書類と聞き取りで確認しましょう。

確認項目見る書類・確認先
①契約の種類(旧法・普通・定期)借地契約書
②残りの期間と更新の時期借地契約書・更新時の合意書
③地代の額と増額の特約借地契約書・地代の領収書
④更新料・承諾料の定め借地契約書
⑤増改築・賃貸に関する特約借地契約書
⑥建物の登記名義建物の登記事項証明書(法務局で取れる登記の記録)
⑦地主の承諾・融資承諾書の見込み売主・仲介会社を通じた地主への確認(譲渡承諾・融資承諾書の可否)

借地契約書の有無と中身(①④⑤)

古い借地では、契約書が見つからない、口約束のまま続いているといったケースもあります。契約の種類、残りの期間、地代、特約がわからないと、収支も出口も見通せません。契約書がない場合は、購入前に内容を書面で確認できるかを確かめましょう。

地代の支払い実績と過去の更新・改定の経緯(②③)

売主から地代の領収書や、更新・地代改定のときの合意書を見せてもらいましょう。滞納がないか、地代がどのように改定されてきたかは、地主との関係や今後の見通しを知る手がかりになります。

建物の登記名義と地主の意向(⑥⑦)

借地権者名義で登記された建物を持っていれば、地主が底地を第三者に売っても対抗できます(新しい地主にも借地権を主張できる。借地借家法10条)。建物の登記名義が売主本人か、購入後に自分の名義へ移せるかを確認しましょう。あわせて、譲渡の承諾や融資承諾書について、地主の意向も確かめておきます。

出口戦略:借地権付き戸建を将来どう売るか

売り先の候補は地主・投資家・買取業者

売り先は、主に地主・投資家・買取業者の3つです。地主に売れば底地とあわせて所有権になるため、話がまとまりやすい場合があります。投資家や買取業者に売る場合は、地主の譲渡承諾が前提になります。

借地権付き戸建の売り先の候補(地主:底地とあわせて所有権になる、投資家:地主の譲渡承諾が前提、買取業者:地主の譲渡承諾が前提)

買う時点で「売るときの条件」も確かめる

譲渡承諾の見込みと、売る時点での残りの期間を考えておきましょう。とくに定期借地権は、残りの期間が短くなるほど次の買い手が見つかりにくくなる可能性があります。

借地権付き戸建の購入・出口の相談先

当社は借地権付戸建の販売に加えて、築古戸建を現状のまま買い取る事業も行っています。買う側・売る側の両方の立場から、契約書の中身と地主の承諾の見込みを確認しながらご相談をお受けしています。販売の内容は戸建投資物件の販売をご覧ください。

借地権付き戸建投資でよくある質問

借地権付き戸建でもローンは組めますか?

組める場合はありますが、判断は金融機関ごとに分かれ、地主の承諾書(融資承諾書)を求められる場合もあります。現金で買う、借地権に対応する金融機関を探すといった資金計画も考えておきましょう(詳しくは「融資の審査」の項目)。

旧法借地権と定期借地権、投資ならどちらが向いていますか?

更新のある旧法借地権・普通借地権の方が、長く持つ見通しを立てやすい傾向があります。定期借地権は、残りの期間で費用を回収でき、売るときに買い手がつくかで判断しましょう。

借地権付き戸建を賃貸に出すとき、地主の許可はいりますか?

契約書の特約しだいです。賃貸を制限する特約があれば地主の承諾が必要になるため、まず契約書を確かめ、購入前に地主へ賃貸の予定を伝えて確認しておくのが安全です。賃貸用のリフォームで増改築にあたる工事をする場合は、別に承諾が要ることがあります。

地代はいくらくらいが目安ですか?

地域や契約の時期、地主によって異なり、一律の目安は言えません。購入前に今の地代と改定の経緯を確認し、将来の増額の可能性も含めて収支に入れましょう。

地主が底地を売ったら、借地権はどうなりますか?

建物が自分名義で登記されていれば、新しい地主にも借地権を主張できます(借地借家法10条、2026年10月時点)。地主が変わったら、地代の支払先や連絡先を確かめましょう。

まとめ:借地権付き戸建投資は契約・地代・地主の3点で判断

  • 借地権付き戸建は安く買えて利回りが出やすい一方、地代・承諾・融資・出口に注意が必要
  • 判断の軸は「契約内容が明確か」「地代込みの実質利回り」「地主の承諾の見込み」
  • 購入前は契約書・地代の記録・建物の登記名義など7項目を確認する
  • 買う時点で売り先と売るときの条件も考えておく

この記事は2026年10月時点の法令・制度をもとにした一般的な情報で、利回りや融資、売却を約束するものではありません。個別の契約や税金の詳細は、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。

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この記事を書いた会社:株式会社ファインプロフィット(大阪府寝屋川市石津南町28-1/宅地建物取引業 大阪府知事(1)第64202号)。大阪府・京都府・兵庫県・奈良県で、築古戸建の買取・リフォーム・販売から賃貸付け・賃貸管理まで自社で対応しています。

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