築古戸建のリフォーム費用相場|賃貸に出す工事範囲と総額の出し方

築古戸建のリフォーム費用相場|賃貸に出す工事範囲と総額の出し方

築古戸建のリフォーム費用の相場は、自宅用の全面改装と、賃貸に出すために「貸せる状態」にする工事とで考え方が違います。この記事では、想定家賃から工事費の上限を決める手順と、部位別の優先順位、見積書の見方を寝屋川市のファインプロフィットが解説します。

結論:築古戸建のリフォーム費用は物件ごとの差が大きく、統一的な相場は示しにくいため、総額は「部位ごとの見積もり+処分費+予備費」で組み立てます。この記事の手順で想定家賃から自分の物件の工事費の上限額を出し、「貸せる状態」までの工事を複数社の見積もりの内訳で比べましょう。

なお、全面改装の金額と、貸すための工事の金額は別物です。ネットで見かける金額をそのまま使うと、予算を誤りやすいので注意しましょう。

目次

築古戸建のリフォーム費用は「住む」と「貸す」で考え方が違う

自宅用の全面リフォームは前提が違う

自宅用の全面リフォームは、間取り変更や断熱まで含むことがあり、金額の幅が大きくなりがちです。

投資で必要なのは「貸せる状態」までの工事

賃貸に出す場合は、入居者が安全に暮らせて、内見で「ここなら住める」と感じてもらえる状態がひとつの目標です。自宅なら優先したい間取り変更やデザイン性は、賃貸では優先度が下がります。

築古戸建のリフォーム費用の総額の出し方|費用が決まる要素

総額は「部位ごとの見積もり+処分費+予備費」で組み立てる

総額は、次の3つを足して組み立てると整理しやすくなります。

  • 部位ごとの見積もりの合計:水回り・内装・設備・外装など
  • 残置物の撤去・処分費:家具や家財が残っている場合
  • 予備費:解体後に見つかる劣化に備える資金。見えない劣化の不安が大きい物件ほど厚めに見込みます

工事費は想定家賃から逆算して上限を決める

工事費の上限は、見積もりを取る前に次の順で決めておきます。

  1. 周辺の似た賃貸物件の募集状況から、想定家賃を調べる
  2. 購入価格・購入時の諸費用・工事費の合計と比べ、想定家賃で収支が合うかを確かめる
  3. 合わなければ、工事範囲を削るか購入を見送る

上限があれば、見積もりが膨らんだときも判断がぶれにくくなります。工事費を借入れに含めるかも資金計画に影響するため、あわせて検討しましょう。

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部位ごとに費用を左右する主な要素

見積もりでは、次の要素がどう反映されているかを確かめましょう。

部位費用を左右する主な要素
水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面)交換か補修か、設備のグレード、箇所数
内装(クロス・床・建具)面積・部屋数、全面張り替えか部分補修か、材料のグレード
給排水・電気・給湯器配管・配線の傷み、交換する範囲、設置からの年数
雨漏り・シロアリ・腐朽被害の範囲、床下や壁の中の状態
外壁・屋根面積、劣化の度合い、雨水が入っているか
残置物量、運び出しやすさ

築年数・建物の状態で工事範囲が変わる

同じ築古戸建でも、建物の条件によって工事の範囲や確認することが増える場合があります。

  • 旧耐震(1981年5月31日以前に建築確認を受けて建てられた建物)は、耐震診断や補強の検討が加わることがあります
  • 長屋(隣家と壁を共有する住宅)は、改修で隣家との調整が要る場合があります
  • 借地権付き(土地を借りて建物を持つ形)は、大きな工事で地主の承諾を求められるケースがあります
  • 狭い道に面した土地は、工事車両が入りにくく、費用に影響しやすい傾向です
  • 再建築の可否(建て替えができる土地か)は、重要事項説明(契約前に宅地建物取引士が物件の重要な点を説明すること)で確かめます

当社は寝屋川市・枚方市・門真市・守口市など北河内のほか、東大阪市・八尾市・松原市などでも築古戸建の取り扱い実績があり、長屋(テラスハウス)や借地権付戸建も扱っています。

長屋・借地権付き・狭い道に面した物件では、隣家との調整、地主の承諾、再建築の可否を確かめてから工事範囲を決めると進めやすくなります。

賃貸に出す前の工事の優先順位【部位別】

工事範囲は「優先して直す」「状態を見て決める」「後回しにできる場合がある」の3つに分けると整理しやすくなります。

賃貸に出す前の工事の優先順位。優先して直すのは雨漏り・シロアリ・給排水・水回り・電気、状態を見て決めるのはクロス・床・建具などの内装、後回しにできる場合があるのは外壁・屋根の塗装や間取り変更

優先して直したい部位(安全・雨水・水回り)

雨漏りやシロアリ、腐朽(木材が湿気で傷むこと)は、放置すると建物の傷みが進み、後の工事費が膨らむおそれがあります。給排水の漏れや、トイレ・浴室・キッチンが使えない状態も、入居者の暮らしに直結します。解体せずリフォームして賃貸に出す場合は建物を長く使う前提になるため、雨水や構造の傷みを先に止めておく意味があります。

古い配線やコンセントなど電気まわりも安全に関わるため、専門業者に点検を依頼しましょう。

状態を見て決める部位(内装・床・建具)

クロス(壁紙)や床、ふすま・ドアなどの建具は、全面を張り替えるか、傷んだ部分だけ補修するかを選べます。内見で最初に目にする部分なので、清掃や部分補修でどこまで印象が変わるかを見て判断します。

あわせて読みたい:賃貸の入居者が決まらない原因は?失敗しない賃貸募集の方法

後回しにできる場合がある部位(塗装・間取り変更)

外壁や屋根の塗装は、雨水が入っていなければ、劣化の度合いを見て時期をずらす選択肢があります。間取り変更や増築は費用がかさみやすく、家賃に反映されるかを慎重に考えたい工事です。貸したあとも管理を続ける前提なら、入居後に劣化の進み具合を見て次の工事時期を決める方法もあります。

大規模な改修は建築確認が必要になることがある

注意:2025年4月1日施行の建築基準法の改正で、「新2号建築物」(木造2階建てなど一般的な戸建が含まれる区分)が設けられました。改正前は建築確認(工事前に計画が法律に合うかを審査する手続き)が不要だった戸建でも、主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)の過半を改修するような大規模な修繕・模様替(材料や仕様を変えて造り替えること)では、確認が必要になる場合があります。

対象になる工事の範囲は、国土交通省の資料をご確認ください。個別の工事が該当するかは、建築士や確認検査機関への確認が必要です。

出典:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」(2025年4月1日施行、2026年10月時点)/参考:国土交通省 建築基準法改正の案内ページ

築古戸建のリフォーム費用が膨らみやすい4つの要因

雨漏り・シロアリ・床下の腐朽

内見では、見えない劣化の次のサインを確認しましょう。

  • 天井や壁のシミ、カビのにおい
  • 歩くと沈む・きしむ床
  • 床下の湿気や、土でできた細い筋(蟻道=シロアリの通り道)
  • 建具の開け閉めのしにくさ(傾きのサインのことがあります)

表面だけを見た見積もりは、床や壁を開けてから工事が増えることがあります。不安が大きい物件では、建物状況調査(専門の検査者が建物の劣化を調べること)の利用も検討しましょう。

旧耐震の建物と耐震補強

たとえば寝屋川市の耐震改修補助では、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された木造住宅が対象とされています。旧耐震の戸建でも売買や賃貸は行われていますが、入居者の安全の面で、耐震診断(建物が地震にどの程度耐えられるかを専門家が調べること)や補強を検討する場面があります。

注意:補強の要否と費用は建物ごとに異なります。耐震診断の結果をもとに、建築士や工事会社に相談しましょう。

給排水・電気・給湯器などの設備

築年数がたった戸建では、古い給水管のサビや排水管の詰まり、容量の小さい分電盤(電気を各部屋に分ける装置)が残っていることがあります。給湯器も年数によっては入居後に故障するおそれがあります。

入居中の故障は修理の手配や入居者への対応が必要です。設置からの年数を確かめ、交換するかを工事前に決めておきましょう。

残置物の撤去・処分費

前の所有者の家具や家財(残置物)が残った物件では、撤去・処分の費用が工事費とは別にかかるため、購入前に総額へ含めておきましょう。当社は家財撤去・遺品整理にも対応しており、リフォームとあわせてご相談いただけます。

リフォーム費用の見積書の見方|内訳と追加費用

見積書で確認する4つの項目

項目確認すること
材料費設備・建材の品番やグレード、数量
工事費工事の範囲と面積・箇所数
諸経費現場管理費や運搬費など、何が含まれるか
処分費解体材や残置物の処分が含まれるか

「内装工事 一式」のように数量や仕様が書かれていない項目は、ほかの会社と比べにくく、どこまで含まれるかもあいまいです。

相見積もりの取り方と比べ方

相見積もり(複数の会社に同じ工事の見積もりを依頼すること)は、次の手順で進めると比べやすくなります。

  1. 工事範囲と仕様をそろえて、2〜3社に依頼する
  2. 図面や写真だけでなく、現地調査をしてもらう
  3. 一式表記を数量・仕様に分けて書いてもらう
  4. 金額だけでなく、範囲の抜けと追加費用の条件を比べる

追加費用が出る条件を契約前に確認する

注意:築古戸建では、解体してから腐朽やシロアリの被害が見つかり、工事が追加される場合があります。契約前に「どんな場合に追加費用が出るか」「追加のときは事前に見積もりを出してもらえるか」を確認しておきましょう。

築古戸建のリフォーム費用を抑える方法と、補助金・税務の基本

工事範囲を絞り、まとめて頼む

まずは先ほどの優先順位で、貸せる状態に必要な工事に絞ります。複数の工事を同じ時期にまとめて頼むと、職人の手配や諸経費を抑えられる場合があります。設備は、賃貸で求められる機能を満たすグレードを選ぶ方法もあります。

DIYに向く作業とプロに任せる作業

清掃、簡単な塗装、照明カバーやスイッチプレートの交換は、DIY(自分で作業すること)でも取り組みやすい作業です。防水、構造、電気、ガス、給排水は、資格が必要な作業や入居者の安全に関わる作業があるため、専門業者に任せましょう。

耐震改修なら自治体の補助金を確認する

耐震改修などには自治体の補助制度がありますが、内容と申請期限は年度ごとに変わります。たとえば寝屋川市の木造住宅耐震改修補助(令和8年度)は、補助額が工事費または90万円のいずれか低い額で、申請受付期限は2026年10月30日です。

対象者は個人で所得などの要件があり、賃貸用の物件が対象になるかは要件の確認が必要です。最新の内容は寝屋川市にご確認ください。

出典:寝屋川市「木造住宅耐震改修補助制度」(2026年10月時点)

修繕費と資本的支出の違い(2026年10月時点)

賃貸用の工事費は、修繕費(その年の必要経費にできる費用)か、資本的支出(建物の価値を高める支出)かで扱いが変わります。資本的支出は、減価償却(購入費などを耐用年数に応じて分けて経費にすること)により複数年に分けて経費にします。

国税庁の案内では、個人の場合、次のいずれかに当たれば修繕費にできるとされています。

  • 1回の金額が20万円未満のもの
  • おおむね3年以内の周期で行うもの
  • どちらか不明な金額が60万円未満、またはその資産の前年末の取得価額(資産を取得したときにかかった金額)のおおむね10%以下のもの

判定は名目ではなく実質で行い、法人は取扱いが異なる部分があります。

出典:国税庁 タックスアンサー「修繕費とならないものの判定」(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月時点で確認)

リフォーム済みを買うか、現状渡しを買って直すか

ここまでは自分で工事する前提で見てきましたが、工事費や手間をどこまで負うかは、買う物件の選び方でも変わります。

現状渡しとリフォーム済みの選び方。工事内容を自分で決めたく見積もりや工期の手間を負えるなら現状渡しを買って直す、工事の手間を省き入居中の収益を見て判断したいならリフォーム済み・賃貸付きを買う

現状渡しを買って直す場合

現状渡し(今の状態のまま引き渡すこと)の物件は、工事内容を自分で決めたい方に向く選択肢です。その代わり、見積もりの精度や工期の遅れ、追加工事のリスクは買主が負います。

リフォーム済み・賃貸付きを買う場合

リフォーム済みの物件は工事の手間を省け、入居者が住んでいる賃貸付き(オーナーチェンジ)物件なら、入居中の収益を見て判断できます。一方で、いつ・どこを工事したかは購入前に確認が必要です。

当社では高利回りの築古戸建・長屋・借地権付戸建を戸建投資物件の販売でご紹介しており、賃貸付け・賃貸管理まで対応しています。2戸以上まとめて購入する場合にローンを利用できる「FPセット販売」もあります。実際に購入した例の収支は、次の記事で紹介しています。

あわせて読みたい:戸建投資の1件目の実例|借地権付き戸建を全額ローンで買った収支

築古戸建のリフォーム費用でよくある質問

リフォーム費用を見積もる前に、まず何をすればよいですか?

周辺の似た賃貸物件の募集状況から想定家賃を調べ、工事費の上限を決めておきます。そのうえで工事範囲と仕様をそろえ、2〜3社に現地調査つきの見積もりを依頼しましょう。

賃貸に出すだけなら、全面リフォームは必要ですか?

必要とは限りません。安全と暮らしに関わる部分を優先し、内装は状態を見て全面か部分補修かを選ぶ考え方があります。

旧耐震の築古戸建でも、買ったり貸したりできますか?

売買や賃貸は行われていますが、耐震診断や補強を検討する場面があります。

見積もりが想定より高かったときは、どうすればよいですか?

後回しにできる工事を外す、同じ条件で相見積もりを取る、一式表記を分けてもらう、といった方法があります。購入前であれば、価格の相談や購入の見送りも選択肢です。

まとめ:築古戸建のリフォーム費用は工事範囲と内訳で考える

  • 想定家賃から工事費の上限を先に決める
  • 工事は「貸せる状態」までに絞り、優先順位をつける
  • 雨漏り・シロアリ・設備など見えない劣化を先に確認する
  • 見積書は内訳と追加費用の条件まで比べる

法令・税金・補助金は2026年10月時点の情報のため、詳細は税理士・司法書士等の専門家や各自治体にご確認ください。

築古戸建のリフォーム・物件探しはファインプロフィットへ

この記事を書いた会社:株式会社ファインプロフィット(大阪府寝屋川市石津南町28-1/宅地建物取引業 大阪府知事(1)第64202号)。2023年3月に開業し、築古戸建の買取・販売、リフォーム、賃貸仲介・賃貸管理、家財撤去・遺品整理に対応しています。

ご相談はお問い合わせフォーム、またはお電話(072-300-2727)でお気軽にどうぞ。

リフォームをせず今の状態のまま手放したい方は、どんな物件でも現状のまま買い取る戸建物件の買取りもご覧ください。

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