築古戸建の利回りは、何%を目安にすればよいのでしょうか。この記事では、表面利回りと実質利回りの違い、仮定数値での計算例、自分の目標利回りを逆算する方法を、寝屋川市で築古戸建の買取・販売・賃貸管理を行う当社が解説します。
結論:当社が確認した範囲では、公的機関が示した築古戸建の利回りの目安は見当たりません。表面利回り(経費を引かない利回り)ではなく実質利回り(経費や諸費用を含めて計算した利回り)で判断し、自分に必要な利回りを逆算して物件を比べるのが現実的な方法です。実質利回りは「取得総額」(購入価格+諸費用+リフォーム費の合計)で計算します。
判断の手がかりになるのが、次の「利回りの見方3つ」です。
- 見方①:取得総額で実質利回りを計算する
- 見方②:空室や臨時の修繕が出た年も試算する
- 見方③:欲しい手残り(家賃から経費を引いて残したい年間の金額)から必要な利回りを逆算する
たとえば架空の仮定として、取得総額480万円で年40万円を残したいなら、必要な実質利回りは40万÷480万で約8.3%です。この約8.3%や後の計算例の約9.2%は仮定の数字で、一般的な目安ではありません。
税金・制度は2026年10月時点の情報です。
築古戸建の利回りの「目安」は一つに決まらない
語られる数字をそのまま当てはめない
利回りとは、投資したお金に対して1年間でどれだけの収入があるかを割合で示したものです。書籍やインターネットではさまざまな数字が語られますが、前提が異なるため、そのまま当てはめるのは危険です。
目安が変わる3つの要因
- エリアと家賃:同じ価格の物件でも、地域によって取れる家賃が違います
- 物件の状態と再生費用:築古戸建はリフォーム費の大小で、取得総額が大きく変わります
- 権利と建物の形:借地権付き(土地を借りて建物を所有する形)、再建築不可(建物を壊すと建て替えができない土地)、長屋(壁を共有して連なる住宅)などは、価格が抑えられやすい一方で融資や売却に条件がつく場合があります

物件の状態によっても、取得総額と確認する数字が変わります。
- リフォーム済み:工事費が物件価格に含まれることがあり、取得総額は物件価格+諸費用が中心です。残りの工事の有無を確認します
- 未リフォーム:物件価格が抑えられる場合がある一方、リフォーム費の見積りで取得総額が大きく変わります
- 借地権・再建築不可:地代などを年間経費に入れ、融資や売却の条件も確認します
他人の目安を借りるより、物件ごとに自分で計算できるようになることが大切です。
表面利回り・想定利回り・実質利回りの違い
表面利回り(想定利回り)の式
表面利回り(%)=年間の家賃収入÷物件価格×100
表面利回りは、経費を引かずに計算するシンプルな利回りです。物件広告の利回りは、満室で家賃が1年間入り続けた場合の「想定利回り」である場合があり、空室の物件では募集予定の家賃で計算されている場合があります。
実質利回りの式
実質利回り(%)=(年間の家賃収入−年間経費)÷取得総額(物件価格+諸費用+リフォーム費)×100
実質利回りは、固定資産税や保険料などの年間経費を差し引き、購入時の諸費用と購入後のリフォーム費を含めた取得総額で割ります。築古戸建では、このほうが実際の投資額に近い数字になる場合があります。
減価償却費(建物の購入費用を耐用年数に分けて経費にするもの)は実際の支出ではないため、実質利回りの経費に含めない考え方があります。含める場合は税理士にご確認ください。
築古戸建では実質利回りで判断する(見方①)

築古戸建は修繕費や空室期間のぶれが大きいため、買うかどうかを決める段階では実質利回りで確かめましょう。
【仮定数値】築古戸建の実質利回りの計算例
前提条件
以下は計算の仕組みを説明するための架空の仮定数値です。実際の物件の価格・家賃・経費の相場や、当社の販売実績を示すものではありません。
- 物件価格:300万円
- 購入時の諸費用(仲介手数料・登記費用・税金など):30万円
- リフォーム費:150万円
- 取得総額(上の3つの合計):480万円
- 家賃:月5万円(年60万円)
- 年間経費:16万円
年間経費の内訳は、固定資産税・都市計画税5万円、火災保険料2万円、管理委託費3万円、修繕費の積立6万円と仮定しています。
表面利回りと実質利回りの比較
| 計算のしかた | 式 | 利回り |
|---|---|---|
| 表面利回り(物件価格で計算) | 60万÷300万 | 20.0% |
| (参考)取得総額で割った場合 | 60万÷480万 | 12.5% |
| 実質利回り(満室で1年間) | (60万−16万)÷480万 | 約9.2% |
同じ物件でも、物件価格ベースの表面利回りは20.0%ですが、経費を引いた実質利回りは約9.2%です。
空室や臨時の修繕を加えた場合(見方②)
次に、同じ仮定で空室や臨時の出費が出た年を考えます。
| ケース(仮定) | 式 | 実質利回り |
|---|---|---|
| 空室が2か月あった年(家賃は年50万円) | (50万−16万)÷480万 | 約7.1% |
| 満室だが給湯器の交換などで臨時に20万円かかった年 | (60万−16万−20万)÷480万 | 5.0% |
戸建は1戸に1世帯が入るため、退去すると家賃収入がなくなる期間が生じます。満室の数字だけでなく、こうした年でも収支が回るかを確かめましょう。
この計算例では、物件価格ベースの表面利回り20.0%が、リフォーム費・年間経費・空室や臨時の修繕によって、12.5%→約9.2%→約7.1%→5.0%と下がりました。
利回り計算に入れる費用と高利回り物件の落とし穴
毎年かかる経費:税金・保険・管理費
- 固定資産税・都市計画税:土地・建物の所有者に毎年かかる税金(都市計画税は対象地域のみ)
- 火災保険料:火災や自然災害に備える保険の費用
- 管理委託費:家賃の入金管理や入居者対応を管理会社に任せる場合の費用
国土交通省の解説(2026年10月時点)では、固定資産税の標準税率は1.4%で、住宅が建つ土地には税額を軽くする特例があります。実際の税額は市区町村が決めるため、納税通知書や固定資産評価証明書(市区町村が発行する評価額の証明書)で確認しましょう。
出典:国土交通省「固定資産税」(2026年10月時点)
修繕費・残置物など見落としやすい出費
築古戸建では、購入時のリフォームとは別に、持っている間の修繕費を見込んでおく必要があります。見落としやすいのは次のような費用です。
- 雨漏りの補修、屋根・外壁の手入れ
- 給湯器・エアコンなど設備の故障や交換
- シロアリの対策・補修
- 前の所有者の家具や家財(残置物)の撤去費用
- 退去のたびに必要になる原状回復(借りたときの状態に戻す工事)や募集の費用
これらはある年にまとめて出ることがあります。計算例のように「修繕費の積立」として毎年の経費に入れておくと、見積もりが甘くなりにくい場合があります。
雨漏りやシロアリ、給排水管の劣化は、内見だけでは分からないことがあります。購入前に工事の見積りを取り、必要に応じて建物状況調査(専門の検査者が建物の劣化を調べること)も検討しましょう。費用が読みにくい場合は、高めの金額で取得総額を計算しておく方法があります。
当社は家財撤去やリフォームも事業として行っており、残置物がある物件の費用の見通しもご相談いただけます。
購入時の諸費用(2026年10月時点)
取得総額に入れる購入時の諸費用には、仲介手数料、登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、不動産取得税などが含まれます。登録免許税は登記のときに国に納める税金、不動産取得税は不動産を取得したときに都道府県に納める税金です。
税率は制度や期限によって変わり、大阪府の不動産取得税には期限付きの軽減措置もあるため、購入時に大阪府や法務局、司法書士に確認しましょう。
出典:大阪府「不動産取得税のあらまし」、国税庁タックスアンサー番号7191(登録免許税)(2026年10月時点)。税率・期限は購入時点の各資料でご確認いただき、詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
借地権・再建築不可・接道の確認
利回りが高く見える物件には、価格が抑えられている理由がある場合があります。借地権付きなら地代や契約の更新、再建築不可なら建て替えができない点が、融資や将来の売却に影響することがあります。
建築基準法上の道路に接しているか(接道)も、再建築の可否に関わります。重要事項説明(契約前に宅地建物取引士から受ける物件の説明)で、権利と接道の状況を確かめましょう。
想定家賃が周辺より高くないか
空室の物件は、家賃を高めに置くほど想定利回りも高く見えます。周辺の似た戸建の募集家賃と比べ、想定家賃の根拠を販売会社に聞いておきましょう。
自分の目標利回りを決める逆算の手順
手残りと使える資金から逆算する(見方③)
「何%なら良いか」は、自分が1年間でいくら残したいか(手残り)と、いくら投じられるかで決まります。次の順に考えます。

- 欲しい年間の手残りを決める(家賃から経費やローン返済を引いて残したい金額)
- 使える資金(取得総額)の上限を決める
- 必要な実質利回りを出す(ローンを使わない場合は、手残り÷取得総額)
- 物件ごとに試算し、空室や臨時の修繕を入れても目標に届くかを比べる
冒頭の例(必要な実質利回りは約8.3%)に当てはめると、先ほどの計算例の満室の年(約9.2%)は届きますが、空室2か月の年(約7.1%)は届かない、という見方ができます。
ローンを使う場合は返済後の手残りで見る
ローンを使うと、利回りが同じでも金利や返済期間によって手元に残るお金が変わります。融資の条件は金融機関・借りる方の収入・物件によって異なります。
実質利回りに加えて、「家賃−経費−ローン返済」で毎年いくら残るか、空室の月に返済を続けられるかを確かめましょう。
売るときの見通しとセットで考える
利回りは毎年の収入の目安ですが、最終的な損益は売却するときの価格でも変わります。持ち続けるか、いつ頃売るかの見通しも購入前に考えておきましょう。考え方は出口戦略のページで解説しています。
北河内(寝屋川市周辺)で築古戸建の利回りを見るポイント
想定家賃と税額を地域の情報で確かめる
寝屋川市・枚方市・門真市・守口市など北河内では、同じ市内でも駅からの距離や周辺の環境によって、借り手の層や求められる家賃が変わることがあります。利回りの数字より先に、似た条件の物件と比べて「その家賃で借り手がつくか」を確かめましょう。
次の順に調べる方法があります。
- 賃貸情報サイトで、同じ駅の周辺にある似た広さ・間取りの戸建の募集家賃を見る
- 長く掲載が続いている物件の家賃や条件と比べる
- 地元の賃貸仲介会社に、その家賃で借り手がつきそうか意見を聞く
北河内の物件なら、不動産取得税は大阪府、固定資産税・都市計画税は寝屋川市など物件のある市に納めます。試算には各資料の金額を使いましょう。
当社の物件の見方
当社は寝屋川市・枚方市・門真市・守口市など北河内のほか、東大阪市・八尾市・松原市などでも築古戸建の取り扱い実績があり、長屋(テラスハウス)や借地権付戸建も販売しています。
前述のとおり、長屋や借地権付戸建は価格が抑えられる場合があり、利回りが高く見えることがありますが、隣家との調整や地代・更新条件の確認が要ります。購入後の賃貸付け・賃貸管理も当社で対応でき、その場合は管理委託費も年間経費に入れて試算しましょう。
物件を見るときの質問リスト
- 広告の利回りは、物件価格と取得総額のどちらで計算していますか
- 想定家賃の根拠になった周辺の募集事例はありますか
- リフォームは済んでいますか。残っている工事と見積りはいくらですか
- 固定資産税・都市計画税の年額はいくらですか
- 管理を任せる場合の管理委託費はいくらですか
築古戸建の利回りの目安でよくある質問
- 築古戸建の利回りは何%あれば良いですか?
-
物件の前提によって変わるため、一律には言えません。欲しい手残りと使える資金から必要な実質利回りを逆算し、空室や修繕を入れても届くかで判断する方法があります。
- 表面利回りと実質利回りはどちらを見るべきですか?
-
物件をざっと比べて絞り込むときは表面利回り、買うかどうかを決めるときは実質利回りを見ます。築古戸建では、リフォーム費を含めた取得総額で計算すると実態に近づく場合があります。
- 利回りが高い築古戸建は危険ですか?
-
一概に危険とは言えませんが、価格が抑えられている理由を確かめる必要があります。修繕費の見通し、想定家賃の根拠、借地権や再建築不可などの権利関係を購入前に確認しましょう。
- 空室は利回りの計算にどう反映しますか?
-
年間の家賃収入を、空室になる月数の分だけ減らして試算します。本文の計算例では、空室2か月で家賃収入を年50万円としています。
- ローンを使うと利回りの見方は変わりますか?
-
利回りの計算式は同じですが、金利や返済額によって手元に残るお金が変わります。返済後の手残りで判断し、融資の条件は金融機関にご確認ください。
まとめ:築古戸建の利回りは実質利回りと逆算で見る
- 利回りの目安は物件ごとに変わるため、自分で計算する
- 買うかどうかは、取得総額で計算した実質利回りで判断する
- 空室や臨時の修繕が出た年も試算する
- 欲しい手残りから必要な利回りを逆算し、権利関係や想定家賃も確認する
利回りは物件を比べるための大切な物差しですが、将来の収入を約束するものではありません。税金や制度は2026年10月時点の情報のため、詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
築古戸建投資の物件探しはファインプロフィットへ
この記事を書いた会社:株式会社ファインプロフィット(大阪府寝屋川市石津南町28-1/宅地建物取引業 大阪府知事(1)第64202号)。2023年3月に開業し、築古戸建を買い取って解体せずにリフォームで賃貸として再生し、販売・賃貸管理まで自社で対応しています。
気になる物件の利回りの見方や、リフォーム費・管理費を含めた収支のご相談は、ファインプロフィットへどうぞ。販売の流れは戸建投資物件の販売ページでご案内しています。
- 2戸以上まとめて購入でローンが使える「FPセット販売」
- 購入後の賃貸付け・賃貸管理にも対応

