オーナーチェンジ(入居者がいるまま所有者だけが変わる売り方)で戸建を売却すると、退去を待たずに売り出せる一方、買主が限られ価格が下がる場合もあります。賃貸中の戸建の売主向けに、メリット3つとデメリット4つ、その抑え方を整理します。
結論:オーナーチェンジは退去を待たずに売れて家賃収入も続く一方、買主が限られ、価格が下がることがあります。売却価格だけでなく、空室化の費用や手間を差し引いた手元に残る金額で比べて売り方を選びましょう。
当社(株式会社ファインプロフィット/宅地建物取引業 大阪府知事(1)第64202号)は寝屋川市を拠点に、築古戸建の買取・販売のほか、賃貸管理や売買・賃貸仲介、リフォームも行っています。投資家に戸建を販売する立場から、売主の方が知っておきたい点をまとめます。
オーナーチェンジで戸建を売却するとは
入居者がいたまま売る仕組み
入居者がいても戸建は売れる場合があり、買主は原則として賃貸借契約を引き継ぎます。入居者は引っ越す必要がなく、買主が新しい貸主として家賃を受け取ります。
根拠となるのが借地借家法第31条です。建物の賃貸借は、登記がなくても入居者が建物の引渡しを受けていれば、その後に建物を取得した人に効力があるとされています。
また民法第605条の2では、賃貸中の不動産が売られると、貸主の立場(賃貸人の地位)は買主に移るとされています。通常の売買なら、原則として入居者の承諾は不要です。
買主がこれを入居者に主張するには、所有権移転登記(不動産の名義を買主に移す登記)が必要とされます。登記の時期と入居者への通知方法を、売主・買主・管理会社で確認しておきましょう。
2026年10月時点の情報です。出典:e-Gov法令検索「借地借家法」(第31条)、「民法」(第605条の2)。契約内容で扱いが変わることもあるため、個別の判断は司法書士・弁護士にご確認ください。
買主と価格の見られ方
オーナーチェンジの買主は、投資家や買取業者が中心です。投資家は「いくらで買えば何%の利回り(物件価格に対する年間家賃収入の割合)になるか」という家賃収入の面から価格を考えます。
一方、空室の家は、近くで似た家がいくらで売れたかを基に見られることが多くなります。入居者の有無で、価格の考え方そのものが変わります。
オーナーチェンジで戸建を売る3つのメリット
入居者付きのまま売るメリットは、主に次の3つです。

1. 退去を待たずに売り出せる
借地借家法第28条では、貸主から契約を更新しないことや解約を申し入れるには「正当の事由」が必要とされています。判断では、双方が建物を使う必要性、これまでの経過、建物の現況、立退料(退去してもらう際に貸主が支払う金銭)などの財産上の給付が考慮されます。
「売りたいから出てほしい」という理由だけでは、正当事由として認められないこともあります。オーナーチェンジなら退去の話し合いがいらず、売りたい時期に売り出しやすくなります。
2. 売れるまで家賃収入が続く
入居者が住み続けるため、売却活動中も家賃が入ります。空室にして売る場合は、退去から引き渡しまで家賃が入らない期間が生じます。
3. 空室化の費用と手間を抑えやすい
空室にするには、立退料や原状回復(退去後に部屋を元の状態に戻す工事)の費用、話し合いの手間がかかることがあります。オーナーチェンジでは、これらを抑えやすくなります。
売却価格は空室のほうが高く見られる場合もあります。ただ、こうした費用や空室期間の家賃を差し引いた手元に残る金額で比べると、入居者付きのまま売るほうが損とは限りません。
オーナーチェンジで戸建を売る4つのデメリット
一方で、次の4つのデメリットがあります。資料の準備と契約での取り決めで抑えられる場合があります。

1. 買主が限られる
入居者がいる家には買主が住めないため、自宅用の住宅ローンは使いにくい場合があります。買主は投資用ローンや現金で買える投資家・買取業者に絞られます。
2. 価格が下がる場合がある
買主が限られ、価格が家賃と利回りで見られるため、空室で売る場合より価格が下がることがあります。
契約時に決めた家賃は、現在の相場と異なる場合もあります。買主はいまの家賃を前提に利回りを計算するため、家賃が低ければ価格も低く見られやすくなります。
契約中の家賃は、契約内容や状況によって変えられないこともあります。まずはいまの契約のまま査定(売れそうな価格の見積もり)を取りましょう。
3. 内覧が難しく、建物の状態を確認しにくい
入居中の家には入居者の生活があるため、内覧を断られることもあります。内覧できない分、買主は建物の状態を確認しにくくなります。築古の戸建では、雨漏りやシロアリなど建物の状態が評価に響くこともあります。
4. 手続きの注意点が増える
売却中に退去や家賃の滞納が出ると、買主の判断に影響することがあります。また、敷金(入居時に預かり、退去時に精算して返すお金)や家賃の精算など、空室の家にはない確認事項が増えます。
オーナーチェンジのデメリットを抑える進め方
資料で家賃と建物の状態を伝える
内覧が難しい分、外観の確認や、入居前の写真・修繕履歴などの資料で代わりに説明できるよう準備しておきましょう。内覧をお願いする場合は、管理会社に間に入ってもらうと話が進みやすいこともあります。
退去・滞納や敷金の扱いを契約で決める
契約の更新時期を確認して売り出しの時期を考え、入居状況が変わったときの扱いは売買契約で取り決めておきましょう。
民法第605条の2第4項では、貸主の立場が買主に移ると、敷金を返す義務も買主に引き継がれるとされています。敷金の扱いや引き渡し月の家賃・固定資産税の精算方法は、売買契約で取り決めます。
不具合は正直に伝え、責任の範囲を確認する
契約不適合責任とは、引き渡し後に契約内容と違う不具合が見つかったときに売主が負う責任です。入居中で確かめにくい不具合でも、知っていることは正直に伝えることが前提です。
仲介(不動産会社に買主探しを任せる売り方)と買取では、責任の取り決め方が異なることがあります。買取では契約条件により責任の範囲を取り決める場合があり、個別の条件は査定時にご相談ください。
定期借家かどうかを確認する
書面で「更新がない」と定めた定期建物賃貸借(定期借家)は、期間満了で契約が終わる仕組みです。契約書で、普通の賃貸借か定期借家かを確かめておきましょう。
2026年10月時点の情報です。出典:e-Gov法令検索「借地借家法」(第28条・第38条)、「民法」(第605条の2第4項)、法務省「借地借家法の更新拒絶等要件に関する調査研究報告書」。
空室売却・買取との比較と選び方
売り方の比較
| 売り方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| オーナーチェンジで仲介に出す | 売れるまで家賃収入が続く 退去の話し合いがいらない | 買主が投資家などに限られる 価格が下がる場合がある |
| 退去後に空室で売る | 住むための家を探す人も対象になる 室内を見てもらえる | 退去までの時間と立退料が論点になる 空室中は家賃が入らず、原状回復費もかかる |
| 買取業者に売る | 現状のまま相談できる場合がある 解体せず賃貸再生する業者なら、土地値以上で買い取れる場合もある | 仲介で売れた場合より価格が低くなることがある 入居中の物件は対応の可否を個別に確認する |
状況別の選び方

図のとおり、家賃が安定し建物の状態も良ければ仲介でオーナーチェンジ、近く退去の予定があれば空室後の売却、築古で修繕費や手間をかけにくければ買取の相談が目安です。
迷うときは、仲介と買取の両方で査定を取って比べましょう。仲介は買主が見つかれば希望に近い価格で売れる可能性がある一方、売れるまでの時間は読みにくく、成約すると仲介手数料がかかります。
買取の特徴と当社の対応
買取は、不動産会社が自ら買主となる売り方です。広告で買主を探す工程がないため、内覧のために入居者に何度も協力をお願いする負担を抑えられる場合があります。
当社では、老朽化・雨漏り・シロアリ・傾きがある物件や訳ありの物件、遺品が残ったままの物件も、現状のままご相談いただけます。当社買取なら仲介手数料0円・司法書士費用(売渡費用)0円です。
当社は買い取った家を解体せずリフォームして賃貸に再生し、賃貸管理や投資家向けの販売まで行っています。そのため、土地値以上で買い取れる場合があります。
入居中の物件もご相談ください。物件の状況により、お取り扱いできるかを個別にご案内します。賃貸借契約書とレントロールを用意して契約内容を伝え、そのうえで査定を受けると話を進めやすいでしょう。
寝屋川市・枚方市・門真市・守口市・大東市・四條畷市など北河内のほか、東大阪市・八尾市・松原市・富田林市・羽曳野市・堺市などでも買取実績があります。ご相談は戸建物件の買取ページまたはお問い合わせフォームからどうぞ。
オーナーチェンジで売る前に準備する書類と流れ
そろえておきたい資料
オーナーチェンジは、資料で判断される部分が大きくなります。すべてそろっていなくても相談はできます。
- 賃貸借契約書(普通の賃貸借か定期借家か、更新時期が分かるもの)
- レントロール(家賃・入居日・敷金などをまとめた一覧表)と家賃の入金記録
- 固定資産税の納税通知書
- 修繕履歴や入居前の室内の写真
- 登記事項証明書(法務局で取れる、所有者や権利が分かる書類)
- 鍵や設備の情報、管理会社の連絡先
売却の流れ
- 売却の方針を決める(オーナーチェンジか、退去後か)
- 上の資料をそろえる
- 管理を任せている場合は管理会社に相談する
- 仲介と買取の両方で査定を取って比べる
- 売買契約で敷金や家賃の扱いを取り決め、引き渡す
- 入居者に貸主の変更と家賃の振込先を伝える
相続した貸家を売る場合
親から賃貸中の家を相続した場合は、まず相続登記(不動産の名義を相続人に変える手続き)の状況を確認しましょう。手続きは司法書士にご確認ください。家賃の振込先口座、敷金の預かり額、賃貸借契約書の有無も確かめておきます。
オーナーチェンジで売るときの費用と税金
売却にかかる主な費用
仲介で売る場合は仲介手数料、売買契約書の印紙代、抵当権(住宅ローンなどの担保として付けられた権利)が残っていればその抹消費用などがかかります。
譲渡所得税の基本
土地・建物を売って得た利益(譲渡所得)は、ほかの所得と分けて課税されます。税率は、売った年の1月1日時点の所有期間で変わります。
- 長期(5年超):所得税15%・住民税5%
- 短期(5年以下):所得税30%・住民税9%
- このほか、所得税額の2.1%の復興特別所得税(所得税に上乗せして納める税)
2026年10月時点で、相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除は、相続後に賃貸していた家には原則として使えません(要件に「相続の時から譲渡の時まで貸付けの用に供されていないこと」があるため)。適用できるかは税理士にご確認ください。
2026年10月時点の情報です。出典:国税庁タックスアンサー(長期譲渡所得の税率・短期譲渡所得の税率・土地や建物の譲渡所得・相続した空き家を売ったときの特例)。
オーナーチェンジでの戸建売却でよくある質問
- 入居者の同意がなくてもオーナーチェンジで売却できますか?
-
通常の売買では、原則として入居者の承諾がなくても、賃貸借契約は買主に引き継がれます。入居者への通知方法は、売主・買主・管理会社で確認しておきましょう。詳しくは専門家にご確認ください。
- オーナーチェンジと空室にして売るのは、どちらが得ですか?
-
家賃、契約内容、建物の状態で変わるため、一概には言えません。空室化の費用や空室期間の家賃も含めて比べましょう。
- 売却のために入居者に出て行ってもらえますか?
-
貸主からの解約の申入れなどには正当事由が必要で、売却だけを理由に退去を求めるのは難しいこともあります。退去をお願いしたい場合は、弁護士などの専門家に相談してから入居者と話し合いましょう。
- 築古で雨漏りがある賃貸中の戸建でも売れますか?
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買取業者なら現状のまま相談できる場合があります。当社にも入居中のままご相談ください。
- 遠方に住んでいて立ち会えません。手続きできますか?
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当社では、遠方にお住まいの方も郵送や電話でお手続きいただけます。入居者との連絡は、管理会社がいるかどうかで進め方が変わるため、ご相談時にお知らせください。
まとめ:オーナーチェンジは手元に残る金額で判断する
オーナーチェンジは、退去を待たずに売れて家賃収入も続く一方、買主が限られ価格が下がる場合があります。空室化の費用や手間も含めて、手元に残る金額で売り方を比べましょう。まずは賃貸借契約書とレントロールを集め、査定を取るところから始めてください。
賃貸中の戸建の売却はファインプロフィットにご相談ください
ファインプロフィットは寝屋川市を拠点に、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県の築古戸建を現状のまま買い取っています。入居者がいる、築古で状態が悪いなど、まずは現状をお聞かせください。
- 入居中の物件もご相談ください
- 雨漏り・シロアリ・傾き・遺品がある物件も現状のままご相談可能
- 遠方の方も郵送や電話でお手続き可能
法令・税制に関する内容は2026年10月時点のものです。相続登記・敷金・契約内容の個別の判断を含め、詳細は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。

